ミーティング中に、その場で検索して欲しい情報を全員に共有できる「ふわっと力」に価値


ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
IP & Legal Function リーダ 木本大介 様
会社HP https://pixiedusttech.com/


◆貴社の事業内容について教えてください

  当社は様々な事業を手掛けており、5~10人規模のスタートアップ企業が、製品の核となる要素技術やターゲットとなるマーケットもまったく異なる中で、1つのコワーキングスペースに集まっているような会社です。

 具体的な事業としては、大きく2つの領域があります。DIVERSITY & HEALTH CARE領域とWORKSPACE領域です。
 WORKSPACE領域では、代表的なプロダクトが2つあり、建設会社に向けた画像認識ソリューションで「KOTOWARI」と、壁に貼るだけで音を吸収してくれる吸音材「iwasemi」です。
 DIVERSITY & HEALTH CARE領域では、超音波技術を利用したヘアケアデバイス「SonoRepro」を展開しています。今後は、聴覚障害者向けの支援デバイスと認知機能に悩まれている方向けの支援デバイスなどを展開していく予定です。


◆Patentfieldを導入した背景

 以前は、特許事務所で出願代理人として働いており、調査は専門ではありませんが、明細書作成にあたって最低限の調査をやっていました。仕事の領域が大手企業からスタートアップ企業への支援に変わっていくなかで、スタートアップでは出願以外の相談や依頼が多くなってきて、そういう相談に対して、クイックに答えることで信頼を蓄積できることを経験しました。
 ふわっとしたオーダーに対しては、クイックに調査することが重要で、2-3日かけて検討していては、生鮮食品のようにオーダー自体が腐ってしまいます。一方で、クイックに調査することは以外と難しく、例えばJPlat-Patはクイックな調査に適したUI(ユーザーインターフェース)になっていません。

 Patentfieldでは、AIセマンティック検索の入力と、検索結果のグラフと公報リストの画面が一画面で完結しており、クイックに調査することができて、ふわっとしたオーダーに対して、すぐに結果を共有できるのが、代理人時代にスタートアップ支援の素材づくりにすごく役立ちました。

 当社に参画して、特許調査に関して様々な有料ツールを検討しましたが、Patentfieldは、単価の安さも魅力でしたが、クイックな調査に適したUIになっていて、欲しい情報がすぐに得られる「ふわっと力」がとても優れていました。

 「ふわっと力」というのは定義しづらいですが、(1)クイックに調査ができて、(2)欲しい情報が過不足なく1つの画面に詰まっている、ことが重要です。検索式を入力して、検索結果の画面で要約の文章リストが表示されるだけでは、ふわっとしたオーダーに対してクイックに調査結果を見せることができません。

 Patentfieldでは、検索窓に文字や公報番号を入力すると、候補のサジェストが表示されるので、サジェストの中から選択するだけで検索ができます。検索時に事前の確認が必要なく、その場ですぐに簡単に検索できるようになっており、クリック操作だけで絞り込みができる点もとてもいいと思います。

 また、例えばビジネスミーティングのときに「競合企業って特許をだしているの?」という、つぶやきや発言に対して、「これぐらいの件数がでています」とか「競合以外にも、こういう企業が特許をだしています」というのを、Patentfieldでは検索結果に付随してグラフを見られるようになっているので、10秒でレスポンスができます。


◆どういった業務シーンでPatentfieldを使っていますか

 まず、エンジニアが利用する特許検索ツールとして使っています。
 Patentfieldは素人が検索しても、それなりの検索結果がでてきます。素人が扱えるという点で一定の価値があり、エンジニア用にもアカウントを契約して、Patentfieldを使って検索をしてもらっています。
 エンジニアには使い方の詳細な説明はしていなくて、Googleと同じ感覚で検索できるので、エンジニア向けの導入ハードルはとても低いと感じています。
 スタートアップは人の出入りが多いので、四半期に1回ぐらいのペースで操作説明会が必要になってしまいますが、Patentfieldを使ったことがない人に対して、Patentfieldのブックマークを送るだけで使ってくれるので、とても助かっています。

 特許出願前調査とクリアランス調査のSDIでも利用しています。
 クリアランス調査については、調査自体は外部に依頼していますが、調査内容を継続的にSDI化するときにPatentfieldを利用しています。具体的には、外部に依頼した調査結果の検索式をPatentfieldに取り込むために検索式をカスタマイズしてSDI設定しています。
 特許出願前調査では、クレーム案を作成して、請求項1をコピペしてAIセマンティック検索を行っています。検索結果の良し悪しはケースバイケースですし、良い結果を求めてAIセマンティック検索を繰り返すようなことは原則していません。

 出願業務は特許事務所に依頼しており、明細書作成の過程で特許事務所にも調査をしていただいているので、Patentfieldの検索結果と特許事務所の検索結果の中から、先行文献となりうる公報があるかどうかをチェックしています。
 PatentfieldのAIセマンティック検索は、人間が検索式を作成して検索するのとはまったく異なる観点で検索をしてくれて、かつ請求項をコピペするだけでいいので、手軽に検索できるのがとても便利です。
 最初の無料相談のような感覚で使っています。

 あとは、ミーティング中や軽い相談を受けたときに、その場で検索してすぐにレスポンスするようなシーンで使っています。


◆Patentfield導入によって感じている効果を教えてください

 AIセマンティック検索を使うとgoogle検索のような感覚で簡単に検索ができるので、エンジニアに対する特許検索の心理的ハードルが下がったと感じています。
 また、ミーティング中に、その場で検索して欲しい情報を全員に共有できるのが、なんといっても便利です。我々はベンチャー企業ですので、スピードには意識して仕事をしており、欲しい情報をその場ですぐに提供できるのが重要だと思っています。
 Patentfieldは、さきほどもお話した「ふわっと力」がとても優れており、ふわっとしたオーダーに対して検索した10秒後にはリッチな情報を提供できるというのが、一番実感している効果です。


◆今後どのような業務でPatentfieldの活用を広げていきたいですか

 特許の分析業務として使ってみたいと思っています。
 スタートアップ企業の知的財産部門としての土台はできたと思っており、次のフェーズとしては、他社特許の分析もやってみたいと考えています。
 他社特許を分析することによって、どういう知見が得られるのか事業戦略にも影響を与えるのかテストしてみたいですし、そのための特許分析は知的財産部門のリソースでできるので、これから取り組んでみたいと思っています。


◆どういう企業にPatentfieldをお勧めしたいですか

 スタートアップ企業に勤めている知り合いには既にPatentfieldを紹介しています。
 スタートアップといっても、弁理士がいるスタートアップとそうでないスタートアップでポイントが違うと思っています。
 弁理士がいるスタートアップでは、「ふわっと力」が優れいている点をお勧めしています。ミーティングの場ですぐに検索できるのも良いですが、エンジニアでも簡単に検索できるので、導入ハードルが低いというのがとても良いと思っています。

 弁理士がいないようなスタートアップでは、使いこなせない等の理由で特許調査ツール自体がないというケースが多いと思います。ただ、特許の調査がそろそろ必要なってきて、とりあえず何か試してみたいという場合に、Patentfieldを試してみたらとお勧めしています。理由としては、「ふわっと力」が優れている点では同じですが、知識がなくてもとりあえず検索ができるのと、価格も安いので、最初に導入するツールとして丁度いいと思います。


取材日:2022/9/28